はじめに
こんにちは、広報部長のTです
値段が安い方が売れるのは経済の本質で当たり前なのですが、安易に値下げをしてはいけない理由は以前書かせていただきました
今回は少し視点を変えて、ハンドメイド作品が売れない理由を値段以外のところから検証してみたいと思います
精神論は必要でしょうか?
ハンドメイド作品は作っただけではもちろん売れません
そこで悩んだ皆さんは、どうすればいいかネット検索したり、ハウツー本などを読んでみたり、成功者に体験談を聞いたりしたひともいたかもしれません。そこで次のような言葉を聞いたことはありませんか?
「作品に愛情を込める」
どうですか?ピンときますか?
私はコレだけでは具体的に何をしたらいいかわかりません。そんな抽象的な表現では実際に行動を起こすことは難しいなと思ってしまいます
作品には皆さん愛情を込めていると思いますし、プロ意識は一朝一夕につくものではないと個人的には感じています
これをやったからプロとは簡単に言えませんよね。意識というのは個人の内面的なお話になるので、人によって意識も異なることでしょう
つまり何が言いたいかというと現実はもっとドライで、このような精神論からのアプローチではなく、実際どう行動するかを考えてみようと思うのです
「頑張りましたー」では誰も買ってくれません
なにを頑張ったのか。そして結果が出たのか。結果が出ていないのなら、努力するベクトルが間違っている、もしくは足りないということになります

自分なりのよりベターな販売方法を見つけるため、トライアンドエラーが必要です
では「ハンドメイド作品が売れないのは値段だけではない」ほかの理由も具体的にみていきましょう
広告活動が足りない
ハンドメイド作家さんは作ることはもちろん得意で好きだとは思います。でも、 売るためのプロモーション活動もそれ以上に大事でおろそかにしてはいけません

俳優さんやお笑い芸人の例がわかりやすいです。芸能人はどこかの事務所に所属していることが多いですよね
これは本人は芸を磨くことに専念し、事務所は売り込みをする。だから事務所は売上の一部をマージンとしてもらう。このようなビジネススタイルが確立しているわけです
マネージャーを付けましょうと言っているわけではありません。そこは勘違いしないでください
あなたの作品がひとりでも多くの方に目に留まるように、作品作りと同じくらい力を入れましょうということです
多くのひとに知ってもらうことが売るための第一歩であり、かつ続けなければならない活動になります
具体的に例を挙げるのであれば、作品に100%の時間をかけていたのであれば、まずは30%を広告活動に当てることを目標にしましょう
InstagramやTwitterといったSNSをうまく使う
今の時代、ハンドメイド作家さんでSNSをひとつも使っていない方の方が珍しいとは思います。問題は使い方です

作品ができた時やイベントがあったときに投稿するだけでは、ほとんど広告としての意味はありません。それは誰もがやっています。差別化にはつながらないのです
芸能人のようにマネージャーがいるわけではないので勝手に投稿してはくれません。知ってもらうための広告活動という「仕事」なのですから、時間をつくって毎日何かしら自ら投稿する必要があります
ハンドメイド作成時間が毎日4時間あるとすれば、1~1.5時間は「仕事としてのSNS」をしましょうということです
ただ単に好きなハンドメイド作品を見て、いいねを押すことではありません。自分の仕事に広がりそうな方との交流を深める、知見を広げる、リサーチする、そして一番大事な自分(の作品)を知ってもらうことを発信するということです
そして、それぞれSNSには得意とする分野が微妙に異なっています
Instagramは作品を知ってもらうのに最適で、凝った写真を作ってキャプションもかなり長く書けますので、ハンドメイド作品の特徴やこだわりなど伝えたいことがたくさん書くことができます
Twitterは作家さん本人の人柄を知ってもらうのに最適なSNSと考えています。1回の投稿が140字(2022年4月現在)と他のSNSにくらべ発信できることが限られています。そこを逆手にとって、情報を小出しにしながら、読み手に意識させず自分という人となりを知ってもらうのに一番効果的なツールです
Facebookは実名をはじめとする正確な情報が特徴ですので、年齢や性別、居住地、興味・関心をもとにした精度の高いターゲッティングを実施することができます。つまり、手当たり次第なダイレクトメールのような売り方ではなく、ヒット率の高い効率的な売り方ができることが特徴です
Blog
ブログはSNSの中でも一番手間がかかりますが自分の財産として残すことができるのが特徴です。但し、サービスが終了したら使えなくなる可能性のある無料ブログは除きます。自分でサーバーやドメインを契約して、自分のホームページ構築をするブログは、自分だけの情報発信基地です。気に入ってもらえれば定期的に訪問してもらえるでしょう

以上が代表的なSNSの活用です。単に「いいね」を押すだけのSNS利用方法から脱却することから始めましょう。意味のある「いいね」は、もちろん全然ありですよ
レッドオーシャンに挑戦している
レッドーオーシャンとは何か?
もしかすると初めて耳にする方もいるかもしれないので簡単に解説すると、ビジネス・商売において競争の激しいさま、またはその周辺環境を表わした比喩表現です
小物アクセサリー市場は飽和していると言われて久しいです
minneでは50万人以上の作家さんが1000万点以上の作品を出品しているそうです。1000万点もの作品に目を通すためには、1秒に1作品見たとして、どれくらいかかると思いますか?
約115日です
コンビニ1店舗の平均商品数は2500個と言われています。コンビニ換算では4000店舗になります。とても現実的な数字ではありませんね
ハンドメイド作品は完全に需要と供給のバランスが崩れています。もちろん供給が多すぎなのです。参入の敷居が低い分、どうしても供給過多になってしまいます
そしてそれがさらに負のスパイラスを生み出しています

見本となる作品が多い⇒マネしやすい⇒さらに見本の作品が多くなる⇒粗悪な作品も多くなるという悪循環の流れです
長々と前説を書きましたが、このレッドオーシャンに自ら挑んでいっているのであれば、売れることが難しいのは当然なのかもしれません
マーケティングが不足している
では何が足りないのか?それはマーケティングです。レッドオーシャンに挑むのであれば最低限のマーケティングは必要です
ハンドメイド作家さんとしては苦しいところですが、自分が売りたいものと世間で売れるものが一致するとはかぎりません
例えば、ある作品があって、自分としては赤色が好きなのに売れるのは青色だとしましょう
それでもあなたは赤の作品を作りますか?それとも青色のバリエーションを増やしますか?

モチベーションが下がるかもしれませんが、青色のバリエーションを増やすのが正解ですよね
さらに言えば、しっかりとマーケティングをしていれば青色が売れることは最初から分かっていたことかもしれません
つまりこの場合は、「青色の方が売れるかもしれない」というマーケティングが不十分だったということです
赤の作品が売れないと嘆くだけでは無駄な時間になってしまう可能性があるというわけです。それはとてももったいないことではないでしょうか
- ただ単に自分が好きな作品を売っていませんか?
- 今の世の中の流れや、世間が求めているものをリサーチしたことがありますか?
- それを自分のハンドメイド作品に落としこんだことがありますか?
そういうところから着眼点を変えてみるのもいい方法なのかもしれませんよ
オリジナリティがない
話題的にはレッドオーシャンと若干かぶりますが、幾多あるハンドメイド作品の中に自分の作品が埋もれないためには、他の作品とは異なる何か光るものが欲しいところです
そうはいっても無から有を生み出せるのは、ほんのひと握りの天才だけです。大多数の人間は、他人の作品を真似するところから始まります
「最初」は真似でいいんです、「最初」は
そこから自分としてのこだわりを盛り込んだり、改良することによって少しづつ作品にオリジナリティが生まれていきます
そして他の作品と差別化がはかられ、雑多の中に埋もれてしまうことが少しでも回避できる、もしくは光るものがあり見つけてもらいやすくなる

世に出していいラインは、作品のレベルを最低限ここまで引き上げてからかなと個人的には思っています
「もっと具体的に教えてよ」って思われるかもしれません。難しいのはハンドメイド作品によって工夫の仕方は様々なところです。形なのか、素材なのか、色なのか、パーツの組み合わせなのか
あなたが他の作家さんのハンドメイド作品を見て、自分はこの色の方が合うと思うなとか、ここが違う形や仕上げだったらもっといいのになと思ったことはありませんか?
あなたの作品も他人からそう思われているかもしれません
自分ひとりの考えに固執している
自分の作品は客観的に判断できないものです。家族や友人に思い切ってアドバイスを求めるのもありだと思います
但しその場合注意が必要です。それは絶対にその場で反論しないこと。納得いかなくても、まずはいったん受け入れましょう
逆の立場を考えてください。反論されたら、「あなたがアドバイスを求めたんじゃないの?」って思うはずですよね
単に作品に対する悪口でないならば、まずは受け入れてみて後から吟味すれば良いと思います。そのアドバイスを活かすかどうかはあなた次第なのですから

もうひとつ例え話として、営業と技術者のお話をしましょう
技術者の方は経験則から、これはできる・これはできないということを先読みして答えを出してしまいがちです。でも営業は「この商品は売れる」と思ったら、それができる・できないは関係なく作ってほしいと言ってきます。でもやっぱり技術者は無理と言います
でもそれは本当に無理なのでしょうか?今自分ができる範囲内の技術だけで商品をイメージしていませんか?
そう、技術者はハンドメイド作家さんに置き換えることができます。どうしても一人で考えてしまいがちなハンドメイド作家さんは、少しの勇気と受け入れる心をもって第3者にアドバイスを求めてはいかがでしょうか
ハンドメイド作家のよいところは、マイペースでできるところです。でもやっぱりひとりでできることって限られているんですよね。
余談
少し話がそれます
映像や写真のようなデジタルコピーは1発でアウトな世の中ですが、ハンドメイド作品のような自分でつくる行為を伴うものについては、良いか悪いかはいったん置いておいて、ここからがアウトという線引きが比較的曖昧です
何でもかんでもアウトにしてしまうと、その分野のコンテンツが発展しないことは想像に難くありません
この辺りのニュアンスはとても難しく、気が向いたらその辺りの記事も書いてみようと思います
まとめ

思いのほか長くなってしまいました
値段以外に大事なことを簡単にまとめてみますと
- 精神論はいったん横に置いておく。もっとドライに現実を見ること
- プロモーション活動も創作活動と同じくらい大事
- レッドオーシャンに挑んでいるならマーケティングは必須
- ライバルとは異なる何か光るオリジナリティが欲しい
- ひとりだけで考えすぎない。他人の意見で新たな発見も
読み返すとあやしい営業コンサルタントみたいな箇所もありますがお許しください。「へーそういう考え方もあるのね~」と軽く聞き流してもらえてば幸いです
いま自分でも集客するための準備をいろいろ考えていて、もしそれが上手くいけばまたここで成功体験として発表出来たらいいなと思っています。以上、広報部長Tでした