まずは糸選びから
寒い時期、首元をあたためるマフラーやスヌードなどネックウエアは大活躍しますね
最近は夏場でも寒さ対策で薄いタイプのマフラーをされる方もいらっしゃるということで、季節問わずネックウエアの需要はあるのではないでしょうか?
マフラーを編みたいとき初めに本を購入し、デザインを見て自分の気に入ったタイプのものを決めてから、必要な糸を購入する流れが一般的な手順かと思います
使用する糸が手芸店やネットショップなどですぐ購入できればいいのですが、購入したい毛糸が入手困難な場合があります。古い本に掲載されているものを編もうとする場合ですと、指定の毛糸自体が廃盤になっていることもあります

現に毛糸の販売期間は短いものもあって、数シーズンで廃盤になってしまうこともよくあるのです。その代わり新製品もシーズンごとにたくさんでています
ではそういう時、糸選びはどうしたらいいのか?いくつかの方法をお伝えしようと思います
指定の糸とタイプの似たようなものを探す。
編み物本には、使用した毛糸の名称と使用したグラム数が必ず載っています
そして毛糸には必ず帯が付いていて、そこには糸の全ての情報が載っています

まず本に掲載されている糸の名称をネットなどで調べてみて、使用された糸の太さを知りましょう。糸の太さが似たような毛糸を選べば、大体似たようなニュアンスのものができあがるはずです
材質などによっては違った風合いのできあがりになりますので、気になる場合はそれも加味して毛糸選びをするといいかなと思います
ウール100%だったり化繊が入っていたり、さまざまな糸があります。また糸の形状もさまざまなのでそのあたりはお好みでいいかなと思います
ここで大事なのは糸の太さの分類です
その分類表を載せておきます

最近はこれに当てはまらない糸もありますし、また適した針も目安ですのでこの限りではありません。参考程度になさってくださいね
もし糸の太さが分からない場合は、毛糸の帯に記載されているオススメの針の号数が似たようなものを選ぶという方法もあります
自分の編みたい糸で編む
手芸店でもネットショップでも、一目見つけたその時に
「この糸で編んでみたい!」
と運命的な出会いをすることがあります。その気持ち、大切にしましょう。俄然編むことに対するモチベーションが違ってきます

その糸を使えばきっとお気に入りの作品になること間違いなしです
ここまで糸の選び方を書いてきましたが、次は編み方(模様)を考えます
編み方を考える
何玉必要なのかは算数の世界
本の通りに編む場合は記載の編み方通りに編み進めてください。また自分の好きな糸を好きな編み方で編むことももちろん可能です
ただすごく太い糸や糸に飾りやファーなどが付いたファンシーヤーンなどでは単純な編み方(かぎ針なら細編みや長編み、棒針ならガーター編みなど)の方が糸の風合いを活かせますので、おススメです
そして最後に「何玉必要なの?」
という問題が出てくると思います

先ほどもお伝えした通り、編み物本には使用した糸の種類とグラム数が書いてあります
毛糸についている帯にも重さが記載されているのでそれらを確認し、本の指定糸と似たような糸の場合は作品に使用された糸の総グラム数を使う糸の1玉当たりのグラム数で割れば、大体の必要な玉数が算出できます
(必要な玉数)=(作品の総グラム数)÷(使用する糸1玉当たりのグラム数)
ここで大事なのは必要な玉数は長さでは算出しないということです。同じ太さの糸でも、材料の違いによって長さがまったく異なる場合があるためです
ぜひ覚えておいてください

また自分のお好きな糸で編む場合は試し編みをした編地の重さから算出する方法になります
例えば長さ140㎝・幅20㎝のマフラーを編む場合、マフラーの面積は140×20=2800㎠となります
試し編みで例えば10㎝平方(100㎠)の編地を編み、その編地の重さが15gだった場合、マフラーに必要な糸のグラム数は
2800÷100=28 15×28=420g となります
このマフラーの重さを使用する毛糸1玉当たりのグラム数で割れば必要な玉数が算出されることになります
これでお分かりの方もいらっしゃると思いますが
編み物の世界って思っているより算数の世界
なのです。数字を計算することがとても多いので(特に比の計算が多いです)、それが億劫になってしまう方いらっしゃると思います
でも自分で好きなように編む場合は計算で玉数が出せるのだということを知っておいていただくだけでも、これからの編み物制作に活かされることがあるかもしれませんよ
ロットとはなにか
そして必要な玉数を購入する際、必ず毛糸のLot(ロットと読みます)を合わせるようにしてください

ロットとは糸を製造する時の釜の番号のことです
毛糸の種類によってはロットのないものもありますが、基本的にはロットが記載されている場合がほとんどです
このロットが違うと同じ色番号であっても微妙に色味が異なることがあります
ですから糸を複数玉購入する場合はロットまでそろえるようにしましょう
そして毛糸が不足して買い足す場合もこのロットを合わせるようにしてくださいね
まとめ
繰り返しになりますが、 編み物の世界って思っているより算数の世界なのです
(必要な玉数)=(作品の総グラム数)÷(使用する糸1玉当たりのグラム数)
この式を覚えておけばマフラー以外にも応用できますので、是非ご活用ください

じゅんこ