工場見学~世界に誇る国産ビーズ TOHOビーズ広島工場に行ってきました!~

こんにちは。編み物講師・ビーズクロッシェ講師のAmabireine~アマビレーヌ~です

皆さん、ビーズというと何を思い浮かべるでしょうか?
子供のころに遊んだなとか、最近はビーズのアクセサリーも店頭に並んでいるのを見かけるなとか。そんなあたりでしょうか


ビーズを日ごろから触っている方は思っている以上に少ないのだなというのが私の個人的感想ですが、ビーズクロッシェ講師の末端にいるものとして、ビーズの楽しさ、すばらしさを知っていただけたらいいなということは常日ごろから感じております。そのためにも自分自身の勉強の一環として一度ビーズ工場に行ってビーズが作られるところを見てみたいなという気持ちがありました

そして偶然にも私の所属するビーズ協会から工場見学を開催しますと今年の10月ごろにお便りがあり、これは行かねば!と広報部長に相談。工場の場所は名古屋から日帰りするには少し遠いということで、1日前のリして観光がてら工場見学に行くという運びになりました

ちょうどその頃、シルクハセガワさんの工場見学にうかがうことも決まっていて、何だか工場見学三昧だなと思ったものです

日本にはいくつかビーズの有名企業がありますが、今回私がうかがったのはTOHO(トーホー)ビーズの広島工場です。広島駅から車で1時間程度の自然のゆたかな場所にあります

工場見学のあった日は工場のオープンファクトリーということでビーズの即売会の他に、工場の敷地内で「第2回 大林 木と食の里まつり」というイベントが開催されており、あいにくの雨の中でしたがたくさんの方がイベントを楽しんでいらっしゃいました

そんな中、朝の9時頃から1時間程度かけてビーズを実際に製造しているところを見学させていただきました

以前からTOHOさんのSNSをフォーローさせていただいており、工場の様子などをたまに拝見する機会はあったのですが、やはり目の当たりにするとそのすごさがよくわかりました。どこがすごいかというと・・・

ビーズは1粒1粒手作りなのです

機械が導入されている工程ももちろんあるのですが、ビーズの製造のほとんどが職人さんたちの手によって丁寧に作られていました。さまざまな工場でオートフォーメーション化がなされていることが多いのですが、ビーズの製造に関しては人の手で行った方が効率的なのだそうです

過去には機械化した工程を手作業に戻した部分もあるそうです。多種多様なお客様の要望にお応えするには、機械化は掃除などのメンテナンスに余計に時間がかかってしまうのだとか。見学をし始めたときに、なぜ機械化しないのかなと内心疑問に思っていたところなので、説明をいただいて納得しました

特に驚いたのはビーズの着色の工程でした。ビーズの原料であるガラスの成形時点ですでに色がついているものもあるのですが、成形後に金属メッキや塗料による着色の工程もあるそうです。今回は実際に着色の工程を間近で見せていただきましたが、気温や湿度などの条件によって微妙に薬品の量などが違ってくるそうです。均一なビーズを作る努力が日々なされていることに改めて頭が下がる思いでした

製造後のビーズの在庫倉庫も見せていただきました。本当にたくさんの種類があるそうで、その数は1万種類程度だそうです。確かに同じ色でも大きさや形が違うものがあることは存じていたのですが、その種類の多さに改めて驚かされました。そして出荷待ちの商品も拝見しましたが、出荷量の8割が海外向け、2割が国内向けということも印象深かったです。海外での需要の高さは、高品質で均一な製品づくりの賜物なのではないでしょうか

そこで案内をしたくださった方から、コロナ禍の影響でコロナの前よりキラキラしたビーズの出荷が減ったとのお話を聞くことができました。コロナの影響で結婚式など華々しいイベントが少なくなり、ドレスなどに使われるビーズの量が減ったためとのことで、こういうところにもコロナの影響が色濃く出ていることを知りました

工場見学の後。限定公開されていたビーズ博物館にもお邪魔することができました。ビーズの歴史やビーズで作られたさまざまな作品を拝見し、やはりビーズのキラキラとした華やかさ、鮮やかな色合いに心躍る思いがしました。ちなみにこの記事のトップに使用している写真(「一粒入魂」のアイキャッチ画像)は、ビーズ博物館に貼ってあったTOHOビーズさんのポスターです。ビーズ一粒に対するTOHOさんのこだわりが伝わるすばらしいポスターでした

今回の工場見学で、改めてビーズの美しさ、すばらしさに触れることができました。今まで以上に、ビーズに触る時に工場の職人さんたちの思いを受け止めながらビーズを大事にして作品を作っていきたいと思いました

ここからはビーズが完成するまでの工程を写真でご紹介したいと思います。もちろんTOHOさんには許可をいただいておりますが、もし説明が間違っていたらご指摘いただけると幸いです

ビーズの原料はガラスですので、直接触ると危ないと言われました
溶融炉で約20時間1,300度に加熱し飴のようになっています。この時点では何色かわかりません
職人さんがあっという間に四角に形を整えました。少し冷えてきて紫のような色が確認できます
職人さんが素早く丸め棒状になったところ。ここまで数秒の出来事です。まさに職人技!
管引と呼ばれる工程。ガラスの中央に空気を吹き込みながら引き出し、細い管を作ります
石炭をくぐらせながら冷ましていきます。青紫色であることがここでわかります
50センチくらいの長さに切断し、ビーズの穴の大きさを決める工程です
ビーズの穴の大きさのチェックしているところです。この棒状のものを原管といいます
原管が束になっています。このままではただのストローのように穴の空いた棒状のガラスです。女性でも持てるように1束3キロだそうです
原管をビーズの寸法に切断していく工程です。繊細さが求められるので、1本1本原管を立てるのも全自動でした
切断された大量のビーズ。ビーズとしての繊細さはなく、まだ粗々しい感じです
元焼と呼ばれる工程。700度の回転炉をくぐる間に切断面を溶かし角を丸くします
大型のドラム洗濯機のようなもので、元焼で汚れたビーズをきれいに洗っています
仕上げの工程の後、斜めになったコンベアの上を転がり、右下転がるものは合格となります

ここまでの工程はすべてのビーズが通る道ですが、ここからさらに着色したり、穴をメッキにしたり、顧客の要望に応えて様々なルートに分岐していきます。そう考えると、特別なビーズのお値段が張るのは納得できるというものです

いかがでしたでしょうか。なかなか見ることのできないビーズ完成までの工程。私自身大変勉強になりましたし、貴重な体験ができて楽しかったです。最後になりましたが、今回のイベントを通じてとてもステキな機会をいただけたことに感謝いたします。

ということでAmabireineでした!

じゅんこ

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