私は確定申告が必要なの?ハンドメイド作家さん(本業・副業とも)に特化してお答えします

サラリーマンとして経営管理の仕事を20年以上携わっているサイト管理人兼広報部長Tです

詳しい解説サイトは他にゆずるとして、私は会計や税務の初心者さんに、簡潔にわかりやすくポイント解説することをモットーにしております

詳細は必ず最寄りの税務署や税理士等に確認してくださいね

結局、私は確定申告必要なの?

経営管理の仕事をしていると、毎年聞かれることがあります

「私は年末調整とは別に確定申告必要ですか?」と

わかりにくいんですよね、確定申告って

説明のサイトはたくさんあるけど、自分には必要ないことまで色々載ってて、専門用語が多用されてて、情報迷子になって結局わからない。。。

そんなハンドメイド作家さんに特に読んでほしい内容になっています。

あなたはハンドメイド作家さんとして本業?副業?

ハンドメイド作家さんで確定申告が必要な場合は、大きく分けて2パターンだけです

本業は会社員だけど副業でハンドメイド作家をしている方

もう一つは、本業でハンドメイド作家をしている方

では、それぞれ説明していきます

但し、シンプルな説明に特化していますので、これ抜けてるじゃんと指摘できる人は読む必要がないことを付け加えさせていただきます

副業でハンドメイド作家をしている方


本業の会社で年末調整をしているので、原則は確定申告は必要ありません

但し、副業での収入が20万円を超えた場合、確定申告しなければなりません
が、ここで『20万円を何で稼いだか』でさらに分岐します

皆さんはパートやアルバイトで稼いだわけではありませんよね?パートやアルバイトの場合は、給与が20万円超えていれば確定申告が必要になります。

でもハンドメイド作家さんは、副業とはいえ材料代とか原価がかかっているわけです。実はそれを差し引いて実質の利益(=所得)が20万円を超えていた場合に初めて確定申告が必要になるのです。

例えば、120万円の売り上げがあったとしても、原価と経費を合わせて、100万円かかっているとするなら、所得は20万円ちょうどとなり、ぎりぎり確定申告は必要ありません。

ここでいう経費と所得については、後述していますので、さらに知りたい方はそちらもどうぞ。

本業でハンドメイド作家をしている方

2018年に法改正され、基礎控除額は48万円に

給与所得が無くハンドメイド作家のみの収入であった場合は、総収入から必要経費を差し引いた金額を最初に計算します。これを事業所得といいます。

この事業所得からさらに控除(=引き算)できるものがあります。全ての人が引き算できる「基礎控除48万円」を引きます。

人によってはさらに引き算できるものがあるのですが、ややこしくなるので割愛します。

控除(引き算)した結果1円以上であった場合、確定申告が必要になります。原則はこれだけで結構単純です。

情報が更新されていないサイトでは「基礎控除38万円」とありますが、これは間違いです。2018年に法改正され、現在では「基礎控除48万円」となります


確定申告と配偶者控除と配偶者特別控除との関係

この章は、確定申告と深くかかわっている配偶者控除に関することですので、ご結婚されている方限定の情報です。むずかしいですがとても重要なことなので少しだけがんばってください

言葉だけだと分かりにくいので図を見ながら理解を深めましょう

注1:配偶者控除配偶者特別控除はどちらかが適用されます
注2:配偶者特別控除に年齢の区分はありません
注3:確定申告の必要性は、一番右の欄を参照

ポイントは配偶者控除配偶者特別控除の境が、配偶者の所得が48万円超か・以下かであることです。これは確定申告が必要か不要かの境と一緒です

ハンドメイドが副業で本業がある方は、給与所得が133万円(年収201.6万円)を超えている方が多いと思われるので、配偶者特別控除すら受けられません

しかしながら、本業がハンドメイド作家さんの場合は確定申告をしたとしても、納税者本人(例:ご主人)が配偶者特別控除を受けることも十分に考えられます

そもそも事業所得がなかった場合、確定申告の必要がありませんから、配偶者控除が受けられます

では事業所得が48万円を超えていて確定申告をしなくてはならなかったとします。そうすると、配偶者控除ではなく配偶者特別控除にステージが移ります

配偶者特別控除は事業所得が133万円まで段階的に金額が減ってはいきますが、いくらか(1万円~38万円)控除ができる制度です。

年収が900万円じゃなくて所得が900万円(年収1120万円)超の方って相当アッパークラスで少数です。したがって900万円以下について説明をします

ポイントなのは事業所得が48万を超えて配偶者特別控除にステージが移ったとしても、事業所得95万円までは確定申告しない方と同じ38万円満額の控除を受けられるということ

つまり納税者本人の控除額には影響を及ぼさないということです。したがって、事業所得95万円まではご主人に遠慮することなく稼いでもいいということになります。

確定申告で税金を納める義務は発生しますが、納税は国民の義務です。それだけ稼げた・頑張ったという裏返しだと自分をほめてあげましょう

配偶者控除(ここからは配偶者特別控除も含んだ表現です)と扶養控除の違い

「配偶者控除からはずれると扶養控除も外れてしまうんですよね?」

それはその通りなのですが、おそらく正しく理解されていません。(健康保険の扶養とごっちゃになっているかもしれません)

よく勘違いされている方が多いのですが、扶養控除のひとつが配偶者控除であり、他の扶養控除と同時に恩恵は受けられません。

国税局のホームページには「扶養親族とは配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)」と記載があります(出典:国税局ホームページ

またまた図で簡単にまとめますが、扶養されている方は下記のどれかに属します

ここで重要なのは、配偶者控除以外はどこの扶養に該当するか年齢だけで分けていますので、「特定扶養控除」は大学生を想定して控除金額が多くなっていますが、大学生である必要はないという点です

例えば、夫が会社員・妻は専業主婦・娘家事手伝い20歳の3人家族であれば、配偶者控除と特定扶養控除が受けられます。

経費とは所得とは

経費とは

経費とはハンドメイド作家を営むにあたっての必要経費です

これには、材料費や材料費を買いに行った交通費、売れた商品の郵送代や梱包資材などが含まれます

細かいことをいうと、自宅で作家さんを営んでいる方は、電気代などの水道光熱費の一部も経費として落とすことができます

但し、やりすぎると税務署から利益を押さえるための脱税と見なされるので、説明のつく根拠のある分を経費としましょう

例えば、ハンドメイドの仕事を毎日3時間しているなら、16時間(+睡眠8時間)換算で18.75%になります。でも家族3人で住んでいるので、さらに約1/3ぐらいの6~7%は経費で落とすとか、その程度にしておいた方が無難です

もしくは、一部屋をハンドメイド用の部屋として使用している場合は、面積按分でもいいでしょう。全自宅面積の20%を使用しているのなら、その割合を計上しましょう

もうひとつ大事なのは毎月同じ考え方で経費計上することです。今月はこっち、来月はこっちの考え方というのは認められません。

収入?所得?手取り?

収入・所得・手取り、お給料に関しては様々な用語があり、混乱しがちなのでまとめてみます

収入

一般的には給与収入のことで税金が引かれる前の総支給額を表わします。交通費は含みません。年収は1年間の合計給与収入のこと

所得

給与所得もしくは事業所得のことで、控除できるものを差し引いた税金を計算する元の金額になる重要な値。収入が多くても、控除項目が多くて所得が減れば税金が減る、というカラクリです

一番単純なのは上記でも説明した配偶者控除です。配偶者がいる場合は所得が38万円控除できるので、同じ年収の独身者より税金が減るわけです

手取り

給料から健康保険や厚生年金など税金を差し引いたサラリーマンが実質受け取る金額のこと。個人事業主には使用しません

まとめ

書いているうちに話が若干脱線しましたが、まとめるとこうなります

本業会社員+副業ハンドメイド作家型

 副業で稼いだ実質の利益(事業所得)が20万円を超えた場合、確定申告が必要

本業ハンドメイド作家型

 本業で稼いだ実質の利益(事業所得)が48万円を超えた場合、確定申告が必要

シンプルに書くとこれだけなのですが、正確な実質利益を出すためには帳簿を付けなければなりません

いきなり複式簿記は難しいでしょうから、せめて原材料や道具代の領収書は保存しておく、購買に使用した交通費などはメモっておく、などのクセは付けるようにしてください

年末近くに結構利益が出ていると思って、いざ経費を計算しようと思っても記録がなければどうしようもありませんからね

最後までお読みいただきありがとうございました。以上、広報部長Tでした

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